橋本徹氏
ついに新型コロナ感染第四波が到来しました。当然の如く予測された事態です。そして、いつまでも変わり映えしない後手後手の対策。もう、意見するのもいやになってしまいましたが、ここであきらめてはいけません。苦難の状況は「夜明け前が一番暗い」といいます。ワクチンが目の前に届いているというのに、最後の災難で死にたくはないからです。
以下は、新型コロナ感染対策に関する、元大阪知事の橋本徹氏のメディアにおける発言です。多少長くなりますが、核心を突いた傾聴に値する意見だと思ったので紹介したいと思います。
まず、以下の2つの記事を紹介します。
(Rakuten Newsより)
「橋下徹氏が4月19日放送のフジテレビ系ニュース番組「Live News イット!」(月~金曜後3・45)にリモート出演。東京都の小池百合子知事をはじめ、全国の知事が人流抑制を強く呼びかけていることに対し、新型コロナ感染対策として「“人流の抑制”を柱にするのは反対」と主張した。
「やっぱり飛沫感染なワケでしょ。そしたら対策をきっちりやっているところは営業を認めるということをやらないと、感染対策なんてバカらしくて誰もやらなくなりますよ」と続けた。
政府に対しては「1年間時間があったのに、感染対策をやっているところは営業を認めるということをルール化してこなかった政治の怠慢で、いざ危ない時に人流抑制によって感染対策をしっかりやっているところが全部“人流の抑制”の名のもとに止まるっていうのは、僕はやっぱり反対ですね」と私見を述べた。
さらに「政治の怠慢で国民の権限を、自由を制限することに及び腰で、ずっとお願いベースで何もしてこなかった。飛沫感染を防止するということで何でマスク着用の義務化、罰則化をしないのか。飲食店に入った時、マスクを外しての会話っていうのは罰則対象だよっていうのを全国民に義務化することをまず先にやって、それでもダメだったら次は人流抑制、営業の停止というのが順番だと思うんですよ」と説明した。」
(Yahoo!ニュースより)
「29日放送のTBS系情報番組「ゴゴスマ」(月~金曜・午後1時55分)では、
コメンテーターで出演の元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏(51)は「緊急事態宣言はこれはメッセージだけで、ある意味、催眠術みたいなもんですよ」とバッサリ。「みんな、緊急事態宣言が出ているだけで、何かやった気になっているし、政治家も。国民も感染が抑えられるんじゃないかなと錯覚していただけで、中身を見たら『とことんステイホーム』とか、何もやってないわけですよ」と厳しく続けた。
その上で「やろうと思えば、お店の中の面積あたりの人数を制限するヨーロッパ方式とか、マスク会食とか、賛否両論あると思うけど、マスクしたまま会食して下さいねとか命令を出そうと思えばできるんですよ。そういういろいろなことをやらずに緊急事態宣言でみんな我慢しましょう、踏ん張り時ですって、メッセージだけ出しても、そりゃ効果は出ないでしょうね」とし、「具体的なアクションを起こしたら、ものすごく批判が来ます。お店に制限かけるんだったら、支援金も積まなきゃいけない。そういう政治の責任をきちんと果たしてこなかったから、こうなっているんじゃないですか?」と厳しく続けていた。」
以上の橋下徹氏の発言は、政府や自治体の新型コロナ対策の問題の本質を鋭く突いていると思います。まさにわが意を得たりの感です。発言力のある橋本氏に主張していただき感謝したいと思う。新型コロナの感染が始まってからすでに1年以上経って、何が問題かは専門家ならずとも国民の多くが理解していると思います。昨日、テレビ報道で、ある街の繁華街に若者たちが大勢集まり、マスクもしないで大騒ぎしながら、アイスクリームを回し食いしている様子が報道されていました。この一例が示すように、社会性に欠ける鈍感な一部の愚か者の行動が、感染を拡げている主要因であることは間違いないと思います。それをピンポイントで抑え込む対策をとるだけで、感染拡大をかなり抑えられるのではないでしょうか。そうすれば経済へのダメージを最小限にしながら効果的に感染を抑制できると思うのです。そのためにとるべき具体的な対策は、政治や行政の最も得意とするところであるはずです。しかし、場当たり的な対策で、効果が上がらなければ罰則というのでは、政治の怠慢であるというのはごもっとも意見です。
さらに、医療機関について橋本氏は、
(デイリーニュースより)
「2021年1月4日、BSフジ「BSフジLIVE プライムニュース」に出演。新型コロナウイルス対策で、感染者数の抑制とともに必要なのが「医療のキャパシティを増やすこと」と指摘した。
第3波に対する政府の対応について、見解を求められた橋下氏は「(1日数万人の感染者が出ている)欧米と何でも比べるのがいいとは思いませんが」と断った上で、「なぜ日本は(1日あたりの感染者が)4500、3200っていうところで医療崩壊だ、ってなってしまうのか」と切り出した。
知事時代(08年=~11年)、大阪、そして日本の医療問題に取り組み、世界の医療体制事情を調べたという橋下氏は「日本は一般病床数がものすごく多い。88万とか90万床とか。そのうち、コロナ対応してる病床数が2万7000なんですよ。診療所とか病院の数が先進国でも1番ですよ。医師数、看護師数はものすごい多いわけではないけど」と説明。
「こういう医療資源をうまく使えてんのかな、と。今、一生懸命頑張って下さってる、コロナ対応してくれている病院の方々に本当に頭が下がる思いだし、その現場では人出が足りないのはもちろんそうです」と感謝を示した上で、「コロナ対応していない病院(医療機関)とか医療従事者があまりにも多すぎるんじゃないか、と」と問題提起した。
橋下氏は、コロナ対応した場合の感染リスクや看護師に対する保育園問題などの社会的サポートの必要性にも言及し、医師会、看護協会などからの「大反対」は承知の上で「今の日本の医療体制ではコロナ対応していない医療機関や医療従事者が多すぎる」と発言。「これは医療側の問題ではない。こういう有事の時に、限られた医療資源…医療機関、人員をきちんとマネジメントする司令塔は、どこなんだ、というと、ここは政治の力しかない。もちろん本来なら、医療機関の自発性にお任せする、それが基本ですが、どうしてもダメだ、ってなった時には、政治がそこに入っていく。この問題点をクリアしないとコロナ対応は完結しないと思う」とコロナ対応という有事の際の政府の“強制力”の必要性を訴えた。」
問題が発生すると当事者間で責任のなすりあいが起こるというのは、どのような社会にあっても世の常です。筆者も現役時代、幾度もこのことで苦労したことを思い出します。しかし、それでは問題は解決しない。冷静に問題を分析し、お互い責任感をもってやるべきことをしっかりやり遂げることが大切です。しかし、現状は、政府も、自治体も、医師会もお互いの責任をしっかり果たしているといえるのでしょうか。そのもっとも大きな責任を負うべき政府には、しっかりとしたリーダーシップをとってもらいたい。
これまで、このブログでも、以上紹介した橋本氏と軌を一にする考えを何度か述べさせていただきました。しかし、いっこうに改善されるきざしが見えません。同じことの繰り返しです。そうこうしているうちに、新型コロナも最終局面で最大の危機を迎えることになりました。残された時間は多くありません。関係者の皆さんには全力で責任を果たしてもらいたいと思います。しかし、筆者の憂慮はその先にあります。これから日本を襲ってくるであろう数々の国難に、今のような国や自治体で、迅速・柔軟・適切に対応できるのだろうかという危惧です。我々国民としては自分の身は自分で守るという意識が必欠かせません。
おわり
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映画『007 ロシアより愛をこめて』の主題歌「ロシアより愛をこめて(From Russia With Love)」を演奏してみました。よかったらお聴きください。